Amazon EC2

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。必要なときに必要な分だけサーバーを起動・停止でき、従来の物理サーバー調達に比べて圧倒的に素早くインフラを用意できます。

概要

EC2 では「インスタンス」と呼ばれる仮想サーバーをクラウド上に作成します。OS・ミドルウェア・アプリケーションを自由に選択・設定でき、用途に応じてスペックを変更することも可能です。

EC2 は IaaS(Infrastructure as a Service)に分類され、OS より上のレイヤーはお客様が管理します。これが後述する「責任共有モデル」における顧客責任の範囲です。

仮想サーバーとは

物理サーバー上のハードウェアを、ソフトウェア(ハイパーバイザー)によって複数の仮想的なサーバーに分割したものです。1台の物理マシンを多くのユーザーで共有しながら、各ユーザーは専用マシンのように使えます。

CP試験で押さえるポイント

インスタンスタイプのファミリー

インスタンスタイプは「ファミリー名 + 世代番号 + サイズ」で表されます(例:m7g.large)。ファミリーによって最適化されたリソース特性が異なります。CP 試験では名前と用途の対応を押さえれば十分です。

ファミリー 代表例 特徴・適したユースケース
汎用 M 系・T 系 CPU・メモリのバランスが良い。Webサーバー・開発環境など幅広い用途
コンピューティング最適化 C 系 CPU 性能重視。高性能 Web サーバー・バッチ処理・機械学習推論
メモリ最適化 R 系・X 系 大容量メモリが必要な用途。大規模 DB・インメモリキャッシュ
ストレージ最適化 I 系・D 系 高 I/O が必要な用途。NoSQL DB・データウェアハウス
高速コンピューティング P 系・G 系 GPU を搭載。機械学習トレーニング・グラフィック処理

購入オプションの比較

EC2 には複数の購入オプションがあり、用途に応じて選択することでコストを大幅に削減できます。CP 試験の最頻出トピックのひとつです。

オプション 割引率の目安 特徴 適するケース
オンデマンド 基準(割引なし) 使った分だけ秒単位で課金。事前契約不要 短期・不定期の利用、開発・テスト環境
リザーブドインスタンス 最大 72% 引き 1 年または 3 年の使用を予約。全額前払いで最大割引 常時稼働する本番環境・安定した負荷のワークロード
Savings Plans 最大 66% 引き 特定インスタンスタイプに縛られず、時間あたりの利用額を予約 インスタンスタイプを柔軟に変えたい場合のコスト削減
スポット 最大 90% 引き AWS の空きキャパシティを利用。需要増加時に突然終了する可能性あり 中断に耐えられる処理(バッチ・機械学習・レンダリング)
Dedicated Hosts コスト増になる場合も 物理サーバーを専有。ソフトウェアライセンスの持ち込みが可能 ライセンス規約上の専有サーバー要件・コンプライアンス要件

ポイント:「最もコストを抑えたい」かつ「中断しても良い」ならスポット、「長期間安定稼働」ならリザーブドインスタンスまたは Savings Plans が正解です。

AMI(Amazon Machine Image)

AMI はインスタンスを起動するためのテンプレートです。OS の種類・バージョン、プリインストールされたソフトウェア、ストレージ設定などが含まれています。

セキュリティグループ

セキュリティグループは EC2 インスタンスに適用する仮想ファイアウォールです。インバウンド(外部→インスタンス)とアウトバウンド(インスタンス→外部)の通信ルールを設定します。

EC2 の責任共有モデル

EC2 は IaaS であるため、責任共有モデルにおける顧客の責任範囲が広くなります。

責任者 管理範囲
AWS 物理ハードウェア・データセンター・ハイパーバイザー・ネットワークインフラ
顧客 OS のパッチ適用・アプリケーション・データ・セキュリティグループ設定・IAM 権限管理

「OS のパッチ(セキュリティアップデート)を適用するのは誰か?」という問いに対する答えは顧客です。これは CP 試験で繰り返し出題される重要ポイントです。

関連サービスとの違い・使い分け

サービス 管理の手間 選ぶ場面
EC2 多い(OS・MW を自分で管理) 細かい設定が必要・既存システムの移行
AWS Lambda ほぼなし(サーバーレス) イベント駆動の短時間処理・API バックエンド
Elastic Beanstalk 少ない(インフラ自動管理) コードをアップするだけでアプリを公開したい
Lightsail 最も少ない(月額定額) シンプルな Web サイト・初心者

確認問題

付録:公式ドキュメント・Black Belt 動画

さらに深く学びたい方は、AWS公式の以下のリソースを参照してください(いずれも外部サイトが開きます)。

公式ドキュメント

AWS Black Belt Online Seminar(動画・解説資料)