セキュリティ関連サービス
AWSはさまざまなセキュリティ脅威に対応するための専用サービスを提供しています。「どの脅威・目的にどのサービスを使うか」の対応関係がCP試験で最頻出です。
概要
AWSクラウドの責任共有モデルにおいて、AWSは基盤インフラのセキュリティを担い、利用者はクラウド上のリソースのセキュリティに責任を持ちます。AWSはその利用者側のセキュリティ対策を支援するために、暗号化・脅威検出・アクセス制御・コンプライアンスなど多様なセキュリティサービスを提供しています。
各サービスの用途と特徴を正確に覚えておくことが、CP試験合格の鍵となります。
CP試験で押さえるポイント
- Shield Standard は無料・自動有効:すべてのAWSユーザーが追加設定なしでDDoS対策の恩恵を受けられます。
- WAF vs Shield:WAFはSQLインジェクションやXSSなどのWebアプリ攻撃対策。ShieldはDDoS(大量トラフィック)対策。
- GuardDuty は脅威検出:CloudTrail・VPCフローログ等を分析して不審なアクティビティを自動検出します。
- Macie はS3の個人情報検出:S3に保存されたデータから個人情報(PII)を自動検出します。
- KMSは暗号化キー管理:S3やRDS等の暗号化に使われるマスターキーを管理します。
- Secrets Managerは認証情報の安全な管理と自動ローテーション。
各セキュリティサービスの詳細
AWS KMS(Key Management Service)
暗号化キーの作成・管理・運用を行うサービスです。S3・RDS・EBSなど多くのAWSサービスと統合されており、データの暗号化に使うキーを一元管理できます。KMSで管理するキーをCMK(Customer Managed Key)と呼びます。
AWS WAF(Web Application Firewall)
WebアプリケーションへのSQLインジェクション・クロスサイトスクリプティング(XSS)などのアプリケーション層攻撃を検出・ブロックするファイアウォールです。CloudFrontやALBと組み合わせて使います。独自のルール(IPアドレスのブロックリストなど)も設定可能です。
AWS Shield(DDoS対策)
DDoS(分散型サービス拒否)攻撃からAWSリソースを保護するサービスです。
- Shield Standard:無料・自動有効。CloudFront・Route53・ELBなどで一般的なDDoS攻撃を自動的に緩和します。
- Shield Advanced:有料。より高度なDDoS保護と、24時間体制のAWS DDoSレスポンスチーム(DRT)によるサポートを提供します。
Amazon GuardDuty(脅威検出)
CloudTrailのAPIログ・VPCフローログ・DNSログを機械学習で分析し、不審なアクティビティや潜在的な脅威を自動検出するサービスです。エージェントのインストールは不要で、有効にするだけで利用できます。
Amazon Inspector(脆弱性診断)
EC2インスタンスやコンテナイメージの脆弱性(CVE)やベストプラクティスからの逸脱を自動的にスキャンするサービスです。ソフトウェアの既知の脆弱性を検出するのに使います。
Amazon Macie(個人情報検出)
S3バケットに保存されたデータを機械学習で分析し、個人情報(PII:氏名・クレジットカード番号・パスワードなど)が含まれるデータを自動的に検出・分類します。データプライバシーコンプライアンスの対応に役立ちます。
AWS Security Hub(セキュリティ状況の一元管理)
GuardDuty・Inspector・Macie・IAM Access Analyzerなど複数のAWSセキュリティサービスからの検出結果を一か所に集約し、セキュリティ状況を一元的に把握・管理できるサービスです。
AWS Secrets Manager(認証情報管理)
データベースのパスワード・APIキーなどの認証情報(シークレット)を安全に保存・管理するサービスです。シークレットの自動ローテーション機能が特徴で、認証情報をコードにハードコーディングする必要がなくなります。
関連サービスとの違い・使い分け
「どの脅威・目的にどのサービスか」の対応表です。CP試験ではシナリオ問題でよく問われます。
| 脅威・目的 | 使うサービス | ポイント |
|---|---|---|
| データの暗号化キー管理 | KMS | S3・RDS・EBSなどのデータ暗号化に使うキーを管理 |
| SQLインジェクション・XSSなどWebアプリ攻撃 | WAF | アプリケーション層(L7)の攻撃対策。CloudFront/ALBと連携 |
| DDoS攻撃(大量トラフィック) | Shield | Standardは無料・自動。Advancedは有料でより高度な保護 |
| 不審なAWS操作・脅威の自動検出 | GuardDuty | ログ分析で脅威を自動検出。エージェント不要 |
| EC2やコンテナの脆弱性スキャン | Inspector | CVE(既知の脆弱性)の自動検出 |
| S3内の個人情報(PII)検出 | Macie | 機械学習でS3のデータを分析・分類 |
| セキュリティアラートの一元管理 | Security Hub | 複数サービスの検出結果を一か所に集約 |
| DBパスワード・APIキーの安全な管理 | Secrets Manager | 認証情報の保存と自動ローテーション |
WAF と Shield の違い
どちらも「攻撃からの保護」ですが、対象となる攻撃の種類が異なります。WAFはHTTPリクエストの中身(SQLインジェクションのような悪意あるコード)を検査するアプリケーション層の防御です。Shieldは大量のパケットを送り付けてサービスを停止させるDDoS攻撃(ネットワーク・トランスポート層)への防御です。
GuardDuty と Inspector の違い
GuardDutyは外部からの不審なアクセスや内部の異常な操作など「脅威の検出」に焦点を当てます。InspectorはEC2やコンテナイメージの「脆弱性診断」に焦点を当てます。どちらもセキュリティ向上のためのサービスですが、目的が異なります。
確認問題
付録:公式ドキュメント・Black Belt 動画
さらに深く学びたい方は、AWS公式の以下のリソースを参照してください(いずれも外部サイトが開きます)。
公式ドキュメント
- AWS KMS 製品ページ
- AWS KMS 開発者ガイド
- AWS WAF 製品ページ
- AWS Shield 製品ページ
- Amazon GuardDuty 製品ページ
- Amazon Inspector 製品ページ
- Amazon Macie 製品ページ
- AWS Security Hub 製品ページ
- AWS Secrets Manager 製品ページ