その他のネットワークサービス
AWS にはオンプレミス環境との接続や API 管理など、さまざまなネットワーク関連サービスがあります。特に Direct Connect・Site-to-Site VPN・API Gateway は CP 試験で問われる重要サービスです。
概要
VPC や CloudFront、Route 53 といった基本的なネットワークサービスに加えて、オンプレミス拠点と AWS を安全につなぐための接続サービスや、マイクロサービス・Lambda 関数を外部に公開するための API 管理サービスなど、目的別に多様なサービスが用意されています。シナリオに応じて適切なサービスを選択できる力が CP 試験では問われます。
CP試験で押さえるポイント
- Direct Connect は専用線接続で安定・高帯域、VPN はインターネット経由の暗号化接続で安価・即日利用可能(試験最頻出の比較)
- API Gateway は Lambda と組み合わせたサーバーレス API 構築の定番
- Direct Connect と Site-to-Site VPN の用途・特徴の違いを確実に把握する
- Client VPN は個人のデバイスから VPC への安全なリモートアクセスに使う
- Global Accelerator は AWS グローバルネットワーク経由でパフォーマンスを向上させる
AWS Direct Connect
AWS Direct Connect は、オンプレミスのデータセンターと AWS を専用の物理回線で直接接続するサービスです。インターネットを経由しないため、以下の特徴があります。
- 安定した帯域と低レイテンシー: 専用線なのでネットワーク品質が安定しており、大量データの転送に向いています
- セキュリティ: インターネットを通らないため盗聴のリスクが低い
- コスト: データ転送費用がインターネット接続より安くなる場合がある(ただし回線費用は高い)
- 導入期間: 物理回線の手配が必要なため、開通まで数週間〜数ヶ月かかる
大量データの定期転送、金融・医療など高いセキュリティが求められる業種、安定した通信が必要な基幹システムの移行などに適しています。
AWS Site-to-Site VPN
Site-to-Site VPN は、オンプレミスのネットワークと AWS VPC をインターネット経由の暗号化トンネル(IPsec)で接続するサービスです。
- コスト: 既存のインターネット接続を使うため低コスト
- 速度: すぐに(即日〜数日で)利用開始できる
- 安定性: インターネット経由のため、Direct Connect と比べて通信品質が変動する可能性がある
- 暗号化: IPsec で通信を暗号化するため安全性は確保できる
Direct Connect の冗長化・バックアップ回線として使われることも多いです。
Direct Connect と Site-to-Site VPN の比較(CP 試験最頻出)
| 項目 | Direct Connect | Site-to-Site VPN |
|---|---|---|
| 接続方式 | 専用物理回線(インターネット不使用) | インターネット経由の IPsec 暗号化 |
| 帯域・安定性 | 安定・高帯域(保証あり) | 変動あり(ベストエフォート) |
| セキュリティ | 非常に高い(専用線) | 高い(暗号化あり) |
| コスト | 高い(専用線費用) | 安い(インターネット費用のみ) |
| 導入速度 | 数週間〜数ヶ月 | 即日〜数日 |
| 主な用途 | 大量データ転送、基幹システム、高セキュリティ要件 | 小規模接続、DR バックアップ、コスト優先 |
その他の接続・ネットワークサービス
AWS Client VPN は、リモートワーカーなど個人のデバイスから AWS VPC やオンプレミスネットワークに安全に接続するためのマネージド VPN サービスです。Site-to-Site VPN が拠点間(ネットワーク対ネットワーク)の接続であるのに対し、Client VPN は個人デバイス(クライアント)からの接続に使います。
AWS Global Accelerator は、AWS のグローバルネットワークを経由してトラフィックをルーティングし、アプリケーションのパフォーマンスを最大 60% 向上させるサービスです。2つの静的 Anycast IP アドレスを提供し、最寄りの AWS エッジロケーションにトラフィックを引き込みます。CloudFront とは異なりキャッシュは行わず、TCP/UDP ベースのアプリケーションや IP アドレスの固定が必要な場合に使います。
Amazon API Gateway
Amazon API Gateway は、RESTful API や WebSocket API を作成・公開・管理・監視するためのフルマネージドサービスです。開発者がバックエンドサービスへのゲートウェイとなる API を簡単に作成できます。
CP 試験で最もよく問われるのは、API Gateway + AWS Lambda の組み合わせによるサーバーレス API の構築パターンです。
- クライアントが API エンドポイントにリクエストを送信
- API Gateway がリクエストを受け取り Lambda 関数を呼び出す
- Lambda が処理を実行し、結果を API Gateway 経由でクライアントに返す
サーバーの管理が不要で、リクエスト数に応じて自動的にスケールするため、コスト効率の高い API 基盤を構築できます。バックエンドには Lambda のほか EC2・ECS・外部 HTTP エンドポイントなども指定できます。
関連サービスとの違い・使い分け
Direct Connect と VPN の使い分け: 安定した大容量通信が必要、または高いセキュリティ要件(金融・医療系)の場合は Direct Connect を選択します。コストを抑えたい、すぐに接続が必要、Direct Connect のバックアップが必要な場合は Site-to-Site VPN を選択します。両方を組み合わせて冗長性を確保する構成も一般的です。
API Gateway と ELB の使い分け: API Gateway は主にサーバーレス(Lambda)や HTTP API の公開に適しています。ELB(Elastic Load Balancing)は EC2・コンテナなどのインスタンスへのトラフィック分散に使います。API 認証・レート制限・ステージ管理などの機能が必要な場合は API Gateway が適しています。
確認問題
付録:公式ドキュメント・Black Belt 動画
さらに深く学びたい方は、AWS公式の以下のリソースを参照してください(いずれも外部サイトが開きます)。
公式ドキュメント
- AWS Direct Connect 製品ページ
- AWS Direct Connect ユーザーガイド
- AWS Site-to-Site VPN ユーザーガイド
- Amazon API Gateway 製品ページ
- Amazon API Gateway 開発者ガイド