料金と請求の仕組み
AWS の料金は「使った分だけ支払う」従量課金が基本です。料金の3要素・無料利用枠・見積りツール・コスト管理ツールを理解することで、予算内での効率的なクラウド活用が可能になります。
概要
AWS の料金体系の最大の特徴は従量課金(Pay-as-you-go)です。利用した分だけ支払い、初期費用や最低利用料金は原則ありません。サーバーを停止すれば課金も止まるため、無駄なコストを発生させずに済みます。また、長期利用の予約(リザーブドインスタンス)やスポットインスタンスを活用すると、さらにコストを削減できます。
CP試験で押さえるポイント
- AWS の料金の3要素は「コンピューティング・ストレージ・データ転送(送信)」です。データの受信(イングレス)は基本的に無料です。
- 無料利用枠には「12か月無料」「常時無料」「トライアル」の3種類があり、試験でも問われます。
- AWS Pricing Calculator は見積り、Cost Explorer はコスト分析・可視化、AWS Budgets は予算アラートと使い分けを覚えてください。
- コスト配分タグを使うと、プロジェクトや部門ごとにコストを把握しやすくなります。
- AWS Organizations の一括請求はボリューム割引が受けられる点が重要です。
料金の3要素
AWS の料金は主に以下の3つの要素によって決まります。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| コンピューティング | サーバー(EC2など)の稼働時間や処理量に基づく料金 | EC2 インスタンスの時間単位の課金 |
| ストレージ | データを保存する容量に基づく料金 | S3 の GB 単位の保存料金 |
| データ転送(送信) | AWSからインターネットへのデータ転送量に基づく料金 | S3 からのダウンロードトラフィック |
なお、インターネットからAWSへのデータ受信(インバウンド)や、同一リージョン内のAWSサービス間のデータ転送は、原則として無料です。
無料利用枠の3種類
| 種類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 12か月無料 | AWS アカウント作成日から12か月間、特定サービスを一定量まで無料で利用できます。 | EC2(t2.micro・月750時間)、S3(5GB) |
| 常時無料 | 期間制限なく、一定量まで無料で利用できます。 | Lambda(月100万リクエスト)、DynamoDB(25GB) |
| トライアル | 特定サービスの短期間(30〜60日程度)の無料体験期間です。 | Amazon Inspector、Amazon Lightsail |
コスト管理・見積りツール
| ツール名 | 主な用途 |
|---|---|
| AWS Pricing Calculator | サービス構成を入力してコストを事前に見積もるツールです。プロジェクト開始前の予算策定に活用します。 |
| AWS Cost Explorer | 過去・現在のコストをグラフで可視化・分析するツールです。サービス別・リージョン別・タグ別にフィルタリングできます。 |
| AWS Budgets | コストや使用量に対して予算を設定し、超過時にアラートを通知するツールです。Eメールや SNS で通知できます。 |
| Cost and Usage Report (CUR) | AWSが提供する最も詳細なコストデータをCSV形式でS3に出力します。時間・日・月単位でのきめ細かい分析に利用します。 |
コスト配分タグと一括請求
コスト配分タグ
AWSリソースにタグ(キーと値のペア)を付与することで、プロジェクト・部門・環境(本番/開発)ごとにコストを分類・集計できます。例えば Project: ProjectA というタグを付けたリソースのコストのみを抽出する、といった使い方ができます。Cost Explorer や CUR と組み合わせて活用します。
一括請求(Consolidated Billing)
AWS Organizations を使うと、複数の AWS アカウントの請求を1つのマスターアカウントにまとめる一括請求が利用できます。主なメリットは以下の通りです。
- 複数アカウントの使用量を合算することで、ボリューム割引(ティアード価格)の恩恵を受けやすくなります。
- 請求管理が1か所に集約されるため、経理処理が簡便になります。
- S3やデータ転送など一部のサービスでは、アカウント間で無料利用枠を共有できます。