AWSグローバルインフラストラクチャ
AWS は世界中に分散したインフラを持ちます。リージョン・アベイラビリティーゾーン・エッジロケーションの3層構造を理解することが、高可用性・低レイテンシーの設計の基礎となります。
概要
AWS のグローバルインフラストラクチャは主に3つの構成要素で成り立っています。リージョン(地理的な拠点)、アベイラビリティーゾーン(AZ)(リージョン内の独立した物理データセンター群)、そしてエッジロケーション(コンテンツ配信のための配信拠点)です。これらを正しく理解することで、コスト・可用性・法規制への対応を適切に設計できます。
CP試験で押さえるポイント
- リージョン選定の4つの基準(データ主権・レイテンシー・利用可能なサービス・料金)は試験頻出です。
- アベイラビリティーゾーンは最低2つ以上利用(マルチAZ)することで高可用性を実現します。
- エッジロケーションは CloudFront(CDN)や Route 53(DNS)で使用され、リージョン数よりはるかに多い拠点があります。
- Local Zones・Wavelength・Outposts は名称と概要レベルで把握しておけば十分です。
- 「高可用性」と「耐障害性」のためには、単一AZへの集中を避けてマルチAZ構成にすることが基本です。
リージョン
リージョンとは、世界各地に設けられた AWS の地理的な拠点です。各リージョンは独立しており、複数のアベイラビリティーゾーンから構成されています。リージョンを選ぶ際には以下の4つの基準を考慮します。
| 選定基準 | 説明 |
|---|---|
| データ主権・コンプライアンス | 法律や規制により、データの保管場所が制限される場合があります。例として、EU の GDPR では EU 域内でのデータ保管が求められることがあります。 |
| エンドユーザーへのレイテンシー | ユーザーに物理的に近いリージョンを選ぶことで、通信遅延を最小化できます。 |
| 利用可能なサービス | AWS の全サービスがすべてのリージョンで提供されているわけではありません。必要なサービスが使えるリージョンを選ぶ必要があります。 |
| 料金 | リージョンによって料金が異なります。同一サービスでも地域差があります。 |
アベイラビリティーゾーン(AZ)
アベイラビリティーゾーン(AZ)は、1つのリージョン内にある物理的に独立したデータセンター群です。各 AZ は独立した電源・冷却設備・ネットワークを持ち、低レイテンシーの専用回線で相互接続されています。
- 各リージョンには通常 3〜6個のAZがあります。
- 1つの AZ に障害が発生しても他の AZ は影響を受けないため、マルチAZ構成にすることで高可用性を実現できます。
- 例えば、EC2 インスタンスや RDS のスタンバイを別 AZ に配置することで、自然災害・停電などのリスクを分散できます。
| 構成 | 特徴 |
|---|---|
| シングルAZ | コストが低いが、AZ 障害時にサービス停止のリスクがある |
| マルチAZ | 高可用性・耐障害性を実現。本番環境では推奨される構成 |
エッジロケーション
エッジロケーションは、エンドユーザーに近い場所に設置されたコンテンツ配信用の拠点です。リージョン数よりもはるかに多く、世界各地に数百か所以上あります。
- Amazon CloudFront:動画・画像・Webサイトなどのコンテンツをエッジロケーションにキャッシュし、ユーザーへ低レイテンシーで配信するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービスです。
- Amazon Route 53:AWSが提供するDNS(ドメイン名解決)サービスです。エッジロケーションを活用した低レイテンシーなDNS応答が可能です。
その他のインフラサービス(名前と概要)
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| Local Zones | 特定の都市圏にリージョンの一部機能を拡張配置し、より低レイテンシーなサービスを提供します。 |
| AWS Wavelength | 5Gネットワークの端末付近にAWSコンピューティングを配置し、モバイルアプリケーションの超低レイテンシーを実現します。 |
| AWS Outposts | AWSのインフラを顧客のオンプレミス施設に物理的に設置し、一貫したハイブリッドクラウド環境を実現します。 |